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プチおっさん医師の奮闘記!

とある病院の中間管理職にある中年医師(勤務医)の日常を徒然に綴るブログです。今や社会的弱者になりつつある勤務医の日常をありのままに公開します。

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学会!

医者がよく診察を休む時に、張り紙に
”学会のため休診”
って書いてあることを目にすると思う。

この学会、医学会には無数にある。
中にはとってつけたような学会もある。思わず突っ込みたくなるよう名前のものもある。つまり、ピンキリである。
大きな学会でのプレゼンテーションは気合が入るし、また緊張する。
他の施設から、質問攻めにあい火を噴くこともある。
若い頃、本当に学会は好きではなかった。もちろん、自分で発表するからだ。
おっさんになり地位も上がるとシンポジウム等で自分がしゃべる時は多少緊張するが(大学を離れたので今は数が減ったのでよけいに)、若い先生のバックアップする程度の学会は本当に気が楽である。

国際学会になれば英語なので(最近はセッションによって国内学会でも英語であることも増えたが)本当に嫌だった。外人は、質問しないと失礼だと思っているようで、発表の後半になるとゾロゾロフロアマイクの方二移動し始める。
心の中は
”勘弁してよ!!”
って叫んでいる。
質問されると何聞いているのかわからない。
ただでさえ分からないのに、スペイン語訛りやインド訛りの英語は本当にわかり辛い。
私も若い頃、アメリカの学会で跳んだことがありました。
アメリカの学会はマジなので本当に大変でした。アメリカの学会は人が集まる所(彼らも商売ですから)で行われる。そうよくオーランド、ディズニーワールドでやるのだ。だから、家族連れの人達は大変だ。
僕ら、独身の連中もおっさん同士でディズニーワールド程辛いものはない。

それに対してヨーロッパの学会はヌルいので楽しい。
各国で持ち回りでするのだが、イタリアやフランスで行われる時は絶対に通すよう気合が入る。まあ、たいてい通るのだが。
ただ、医者の場合ほとんど旅費は自前。
大学にいるとバイトだけで生活しているから、その間バイトにいけないから、必要経費が倍かかっている計算になる。
そこが地方自治体の議会で何してるのかわからない土建屋議員の視察団と違うところである。
厚生労働大臣は先日、医者は待ち時間研究もしているから労働時間が長い云々の答弁があったが、この実情を知らず軽々しく話すんじゃないといいたい。
何とか還元水で何百万も必要経費が使われている実情をしるとお国のためと思って研究に励み、発表している我々は悲しくなるのである。
まあ、言っても仕方ないけど。

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タミフル

今日は、まじめに仕事の話。今年は暖冬のせいで、年末年始暇で、その後が超忙しかった。病気は本当に季節性がある。心筋梗塞や脳梗塞などの血管つまり系の疾患はやはり夏に多い印象がある。
さて、タミフルである。タミフル内服後の異常行動が問題になっている。正直、因果関係を証明するのは難しいと思う。なくなった人のご遺族は本当にお気の毒であり、この薬剤に対する思いも理解できる。
しかし、数字はあやふやで申し訳ないのですが800万人以上が内服し、この症状が出現した人は60名前後である。実際、タミフル内服で命を救われた高齢者などたくさんいるはず。

今、外来でインフルエンザ患者が来院したら、
・タミフル内服で異常行動のでる危険性がかなり低い確立ではあるがあること。
・しかし、Benefitは非常に大きい薬剤であること。
・特に未成年者の場合、内服後一人にさせないこと。
を説明し、ご理解を得れた人には処方するようにしている。

先日、なぜかよくわからんがインフルエンザと診断したらいきなり喧嘩ごしで
”タミフルみたいな危険な薬を処方するのですか!”
とつっかかる人がいた。患者は35歳の男性でつっかかってきたのはその嫁である。だんなの方はすべて嫁の反応を伺いながら答えるといった具合だ。
時々、このような人がいる。30歳超えてそれはないだろうと思うのだが、時々いますこういう情けないおっさんが。
嫁の方に、上記を説明したら、
”そのような危険な薬をなぜだすのですか?”
とまたつっかかってきた。
挙句の果てにインフルエンザ感染の理由を説明しろと言い出したので、可能性のある感染経路を説明した。
そうすると、他のDrが降圧薬を以前より処方していたのだがその薬剤が原因で感染したのではないかと言い出す始末。

さすがに腹が立ってきて、タミフル内服しなくても通常、高熱などの症状は数日で改善することを告げ、タミフル内服するかしないかを選択させた。
内服しないということであったので、アセトアミノフェン等の対症療法の薬剤を処方しお引取り願った。

最近、できるだけ詳細に説明するように心がけているが、勤務医が少ない中外来をしていると一人当たりの患者に割ける時間は限られているので本当に困ってします。我々も人間なのだから、疲れるし、上記の患者のように喧嘩ごしでこられるとこちらもいわれのないことで攻められるのだから面白いはずがない。

しかし、厚労大臣は医者の数が足りないという認識はまったくないようだ。だれかあの勉強不足のおっさんなんとかしてくれ!!
官僚が書いたシナリオしか読めないんだったら代わりはいくらでもいるんだから。もうちょっとまともな政治家はいないんだろうか?
もう、この国はダメね。

国立循環器病センタ-!

今日、Yahoo Newsを見ていたら、国循のICUのDr5名全員が辞職のニュースを報じていた。
辞職の理由が
”心身ともに疲れ切った”
ということであった。
これは国公立系のActivityの高い医療機関に勤める医者全員が声をあげて叫びたい一言である。
本当に、まともな勤務医は疲れきっている。
本当に疲れきっている。やりたくもない当直をし、そのまま日勤をおこない、フラフラになっても外来をし、外来患者数が無理な人数でも病院からは押し付けられ、患者さんを待たせると怒られ、矢面に立たされる。
皆心身ともに疲れ切っているのである。
国循の件ももちろん、人間関係や医局との関わりやいろんなことも背景にあるのであろうが、正直な気持ちである。
病院内で事務官が17時になるとさっさと帰るのをみると本当に羨ましい。
同じ公務員で同じ給与でなぜこのように違うのか。

もう少し、厚労省も考えて欲しい。

勤務医不足!!

 先日医師不足の話をしたが、昨日友人から実例を聞いた。

 友人は、某準公的機関の病院に勤務している勤務医である。その病院の某科は2名体制で患者さんの診療にあたっていた。一ヶ月の外来患者の延べ人数約900名であった。したがって単純に一人当たり450名、一日あたり約23名であった。ところがこの3月でもう一人の医師が出産退職になるのであるが、大学の医局からの補充はなく、院長及び事務方に補充の相談にいった。しかし、その回答は医者が一人いなくなることで人件費が浮いて病院としても助かるので、一人で頑張ってくれということであった。単純計算で一日45名の外来患者数である。一人10分としても450分(7.5時間)つまり、お昼を食べず、外来をし続けて終わるのが4時半である。しかも、ここに新患の患者が含まれているのだから、新患の患者は当然、時間がかかる。実際終わるのは6時に近くなるだろう。また、待たされる人もでるであろうし、クレームも受け、かなりのプレッシャーになるだろう。これで質の高い医療が提供できるのであろうか?医者のモチベーションを保つことができるであろうか?
もう彼も夏に退職することを決めたと話をしていた。

準公的病院でさえ現状はこうである。以前イギリス人に言われた"CRAZY!!"の世界である。正直、このような労働環境下ではミスが起こっても仕方がないと思われる。本当はもっと時間をかけて、患者さんの診察に時間をかけ高いレベルの医療を提供したいのだがそういった環境下では不可能である。しかし、責任は追及されるのが我々の職業である。訴訟と隣り合わせの中で仕事をしている。それでいて、日本の医療は世界に名だたる高水準を保っていられるのは医師個人の善意と責任感に支えられるところが大きい。しかし、それも限界に近づいていっている。給与は9:00-5:00で帰る地方公務員と同じで何十倍のストレス下で仕事をし、訴訟のリスクを抱えている。バカらしくなって皆退職するのは当たり前である。こんごますます、勤務医が不足するであろう。

 今、自由化の波におされ医療機関も医療レベル云々より、利益を追求せざるおえなくなってきている。もちろん、不必要な部分を抑えることはしないといけない。しかし、本来必要な部分まで削りつつある。マスコミは医療ミスに関しては、大々的に報道する。それは部数などの数字が伸びるからである。もちろん、ひどいケースもある。しかし、現在の勤務医の過酷な労働環境による医療ミスが起こりやすい素地は絶対に大々的には書かない。書いても売れないからである。以前、某スポーツ新聞の記者が自分のコラムの中でいつもの彼らの手法(大した取材もしないで大きく書く)を使い、医療機関を批判していた。ふざけるんじゃないこっちは診たくても診れない環境に置かれているのである。連続36時間勤務をした後に緊急で呼ばれ、訴訟のリスクを抱えながら診療にあったている我々をかたや間違った報道をしても責任をとることすらしない彼らに批判されないといけないであろう。

 自由化は医療への企業参入の推進に繋がる。実際、東証一部上場企業のいくつかは参入しつつある。利益を追求するだけの企業の提供するサービスはいいものなのであろうか?期限切れの食材を使ったお菓子を平気で売っている企業も存在するのがこの世の中である。本当にそれでいいのであろうか?結局あおりを受けるのは国民である。

 現在勤務している病院はDPCを採用しているので、早期転院を進めているが、患者さんの半分くらいはもう少し入院希望(人によってはずっと)をされる。しかし、それは現在の制度下では無理であることを説明するが、わかってもらえないことが多い。政府の政策をもっと国民一人一人がちゃんとチェックしないといけない。選挙で選らんだのは我々国民なのだから、責任を取らざるおえない。

 医療費の高騰が叫ばれている。確かに大きな問題である。抑制する努力は必要である。しかし、欧米諸国と比較すると対GDP比ではOECD加盟国では29か国中18位だそうである。アメリカ、ドイツ、フランスより下位である。金額ベースでもアメリカの6割、ドイツよりも安い。しかし、日本は米国の要求により高くつくアメリカ型の医療制度を目指している。本末転倒である。なぜ、そうしようとしているかは、おそらく米国の保険会社の市場参入のためであろう。わが国は食肉等でまず健康を損なうリスクを押し付けられながら米国にお金を吸い取られ、今度は医療で吸い取られようとしている。最後は葬式まで米国風に強要されるのであろうか?

医者不足!!

現在、医者の数が足りないということが新聞紙上を賑わせている。これは事実である。まだ、大都会はそうでもない。むしろ、今後大都会ではあふれる可能性もある(おそらく開業医)。その理由は大きく分けて2つあると思う。
1、新研修医制度
2、女医さんの増加
新研修医制度が大きく変わった。以前は卒後すぐに大学の医局に属すことにより、その医局の関連病院で研修をつみ大学に帰って学位をとるというコースが一般的であった。ところが制度が変わり、今は卒後すぐに市中病院で初期研修を2年行い次に後期研修を数年行うというものである。したがって、都会の大病院は研修医が集まり、その中から優秀な人間は後期研修で残り、その後病院スタッフとなるという道が今後一般的なパターンとなるであろう。ここで大きな問題が生じる。すなわち、都会で研修を積んだものがその後地方に行くかということである。答えはNOである。むしろ昨年度初期研修を大都会以外で行ったものの50%は後期研修で大都会に移動したというデータがあるくらいである。
ここでも地方との格差がどんどん広がっているのである。実際、自分の経験上地方と都会では医療レベルの差は大きく存在すると思う。この傾向は今後ますます顕著になると思う。

女医さんは本当に増えました。女医さんを否定するつもり毛頭ない。立派な先生もいる。しかし、女性は結婚、出産ということがあるのでどうしてもretireあるいは休職する時間が生じる。この職業、一度休むとなかなか多忙な生活に戻れない。しかも、検診のような比較的時間の拘束が短く、楽なパートが存在し、常勤よりも負担が軽く給与もかわらないことからそちらの流れてしまう。

ほかにもいろいろ理由はあるのだが、今後さらに顕著になると思う。また、別の大きな問題として、今の研修医制度であれば、医者は研究特に基礎研究をしなくなる。そのうち、学問のレベルも韓国や中国に抜かれる日もそう遠くないように感じる。

そろそろ、国策を真剣に検討しないとひどい社会になるような気がしてならない。

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プロフィール

HN:
プチおっさん
性別:
男性
職業:
勤務医
自己紹介:
あっという間に卒後10年以上過ぎ、気がつけばおっさんになってしまった勤務医です(自称ぷちおっさん)。"医者になればバラ色の人生が待っている!!"と思い、医者になるにはなったけど、現実は無残で灰色の人生を送っています。病院の中では中間管理職-つまり,雑用処理係を拝命され日々、医療とは違うところで苦労をしております。

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