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プチおっさん医師の奮闘記!

とある病院の中間管理職にある中年医師(勤務医)の日常を徒然に綴るブログです。今や社会的弱者になりつつある勤務医の日常をありのままに公開します。

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タミフル3

タミフルの話題で新聞紙上はもちきりである。横浜市立大学の教授が中外製薬から受託研究費をもらっていたからということもいろいろ問題にしている。あれはどうかと思う。正式に、国に届け出て振り込まれた研究費である。それを賄賂のような書き方をしている。
では、どこかの非常に悪い噂の多い大臣のなんとか還元水の問題はどうなのか?あちらは完全にクロでしょう。しかし、マスコミは大ツッコミを入れない。どうしても大きな圧力がマスコミにかかっているとしか思えない。
本当に今のマスコミはレベルが低い。虚実の報道をしたら、逮捕くらいの法律を作ってもらいたい。

タミフルは今後どうなるのか?

昨晩救急当直をしていたので、何回も何回もこの件を説明したので本当に疲れた。

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メタボリックシンドローム

世間ではメタボリックシンドロームの話題が花盛りである。医学会にも流行りがある。
今一番の流行がメタボリックシンドロームである。要は、肥満(特に内臓脂肪)はよくないということである。
まあ、当たり前といえば当たり前のことであるのだが、この診断基準に関しては議論のあるところである。
海外では、この名称すら否定する学者もいる。
とはいっても、心血管系疾患のリスクになるのは自明だし、やはりよくないものはよくない。
まあ、単なる流行で終わらせないようにしないといけない。
つい、数年前まで、再生医療が花盛りであった。
しかし、最近あんまり耳にしなくなった再生医療。
再生医療でひっぱりだこであったある先生がこの間、腹膜透析の講演をされていて驚いた。

単なる流行で終わりませんように。

心療内科!

我々内科医がいつも困る患者がいる。
それは心療内科に本来かかるべき人たちである。
そういう人達、いわゆる不安神経症の人たちは絶対に心療内科にいってくれない。
絶対、何らかの臓器障害があると信じて内科にやってくる。
何度説明しても絶対に納得してくれない。
そういう人に限って検査が大好きだ。検査をしないとむしろ怒る。
非常に医療費の無駄使いなのだが、しないと納得しないだけならまだいいが、院長宛の目安箱や病院の代表に等に”あの医者はちゃんとみてくれない”などの投書やメールを送ってくる。
そしていろんな病院を転々とする。
先日もそんな人が来た。
診察を始めるとあの病院はこういうことをしてくれたのにここはしてくれない等いろいろ文句を言う。
”前の病院でしたのだからもういいじゃん!!”
と心の中で叫びつつ、聞き流した。
いろんな症状をいっておられたが、どうみても不定愁訴で不安神経症。
もちろん、現在の医学では立証できない疾患もあるかもしれないが、でも大多数は不定愁訴なのだと思う。
お願いだから、医者に心療内科を勧められたら、一度行ってみてください。
症状が楽になる可能性高いですから。

自己免疫疾患

今日、後輩が闘病生活を送っていることを知った。以前、ある感染症にかかり闘病生活を送っていたがその後自己免疫疾患に罹患したようだ。
自己免疫疾患っていうのは、膠原病のこと。わかりやすく言えば、自分の免疫がなぜか自分の体を攻撃してしまう病気である。
一番多い病気はリウマチである。他にも全身性エリテマトーテス、多発筋炎などいろいろある。
治療法は抗炎症療法&免疫抑制療法である。
治療の主役はステロイドになる。
ステロイドは副作用の多い薬として、一般の人は認識していると思う。
確かに副作用の多い薬である。
免疫抑制剤であるから、易感染症(日和見感染)、胃潰瘍、緑内障、中心性肥満、moon face、鬱病などの精神症状、骨粗鬆症など多岐に渡る。
医者も副作用の多い薬であることをよく知っているので、できるだけ少量と考えてしまう。
もちろん、目的に寄って使い方が違うのであるが、自己免疫疾患に関しては初期量は大量に使い、漸減していく。少量と考え初期量を誤るとかえってtotal量が多くなり、副作用がでてしまう。したがって使う時は大量に使い、漸減していくことが多い。
彼もPSL40mgと大量に内服しているようである。しかし、彼には感染症の既往があり爆弾を抱えている。
彼の心中を察すると言葉がでなかった。
彼の病気の治癒を心から願うとともに、彼のような優秀な医者がこのまま第一線に立てないのは本当に社会の損失であり、何か手助けできることがないか思案中である。

闘病記(1)

今日、他の病院から転院してきた患者さんとその病院との検査計画や治療方針に若干の違いがあり、それを説明した時に
”先生は検査や治療をする側であり、受ける側じゃないから患者の気持ちはわからない”といった主旨のことを言われた。
医者をしているとよく言われる言葉である。

また、あるきっかけで、病気と闘っている女の子のブログを見た。

この2つのことがあって、自分が病気と闘っていたことを久しぶりに思い出した。

今から約10年前、自分の健康など省みず、24時間、仕事と勉強に割いていた。本当にあの頃は一日中病院にいた。だから、毎日しんどかったが、睡眠不足のせいであり、まさか病気に罹患しているとは思っていなかった。
ある日、母に検査をうけるようにひつこく言われたので、軽い気持ちで採血検査をした。
あの時のことは今も鮮明に覚えています。同期と軽い気持ちで
”病気になってたら、しばらく休めるね”
と冗談を言いながら、PCの検査画面を見ると、赤い字で異常値が記載されていた。そう病気に罹患していたのである。
その瞬間時が止まったのを覚えている。

即入院となった。自分の働いている病院に入院するのは嫌なものである。隣の病室が自分の患者だったりする。スタッフにも気を使うし。
胃カメラや生検などありとあらゆる検査を受けた。
だから、今患者さんに検査する時自分の体験談をいえるので貴重な体験をしたと思っている。
結局、確定診断がつき、ある病気に罹患していた。急性期に見つかることは少ないので、急性期に見つかった自分の寛解率は当時不明であった。慢性化すると寛解率は極めて低いものであった。
職業柄、病気のことは誰よりもよく知っている。また、いろんな文献をあさることもできる。しかし、調べれば調べるほど冷たい数字しかみることができない。自分のその後の人生が計算でき、こうなってこう死んでいくんだといつも考えていた。
周囲の人間が、時々慰めを言ってくれるが、愛想笑いを浮かべるのが精一杯で慰めにならなかった。
そして治療が始まった。けっこう侵襲の高い治療で、薬を打った日は食欲がなくなり、高熱がでてヘトヘトであった。夜病院のベッドに横たわり、白い天井を見ていると不安とあせりとこうなってしまった自分の運命を恨んだ。
クリスマス、正月は病院のベッドの上だった。
そして、髪の毛が抜け始めた。朝起きるのが本当に嫌だった。起きると枕元に髪の毛が束になって抜けているのである。
いろんな人が慰めの言葉を掛けてくれたが、ただ一人教授だけ
”治る可能性の低い病気”と母の前ではっきりと言われた。
その時、目が覚めた。
”病気にかかったことをいくら恨んでも後悔しても、病気にかかった現実は変わらないし、病気が良くなることもない。それよりその現実を受け止め、治るということを信じて、今できることしよう。塞ぎこんで、全て病気のせいにして何もしないことは人生において大損害だ。病気と上手に付き合う方法を探そう。”と。

程なくして、仕事に復帰した。薬の打ち方を変えてしんどい時間帯を寝ている間にするようにした。医者の世界、同期はライバルである。特に、若い頃は。うざい同期から厭味なこともされたけど、気にせず、自分のできることをやった。

その後、いろんなことがあった(それはまた書くかもしれないです)。
でも、病気から逃げなかった。
そして完全寛解して現在に至る。

僕はいつも若い患者さんに慰めの言葉はあまりかけない。自分の体験から、慰めは所詮効き目は数分である。長期効果はない。冷たい言い方かもしれないが
”病気にかかったことは仕方ない。病気を冷静に受け止め、どう付き合い克服していくか”
これが重要なことなんだ。
病気にかかれば全ての幸せが吹き飛ぶか、そうでは決してない。
病気にかかったからわかることもある。体験できることもあるのだ。
治ったから言えるんだと言われるかもしれない。確かにそうかもしれない。
でも、塞ぎこんでも何も変わらないと思う。

現実を受け止め、病気が治ることを信じて上手に付き合ってください。そのかわり、我々医療従事者は全力で病気の治療にあたります。

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プロフィール

HN:
プチおっさん
性別:
男性
職業:
勤務医
自己紹介:
あっという間に卒後10年以上過ぎ、気がつけばおっさんになってしまった勤務医です(自称ぷちおっさん)。"医者になればバラ色の人生が待っている!!"と思い、医者になるにはなったけど、現実は無残で灰色の人生を送っています。病院の中では中間管理職-つまり,雑用処理係を拝命され日々、医療とは違うところで苦労をしております。

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