とある病院の中間管理職にある中年医師(勤務医)の日常を徒然に綴るブログです。今や社会的弱者になりつつある勤務医の日常をありのままに公開します。
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先日医師不足の話をしたが、昨日友人から実例を聞いた。
友人は、某準公的機関の病院に勤務している勤務医である。その病院の某科は2名体制で患者さんの診療にあたっていた。一ヶ月の外来患者の延べ人数約900名であった。したがって単純に一人当たり450名、一日あたり約23名であった。ところがこの3月でもう一人の医師が出産退職になるのであるが、大学の医局からの補充はなく、院長及び事務方に補充の相談にいった。しかし、その回答は医者が一人いなくなることで人件費が浮いて病院としても助かるので、一人で頑張ってくれということであった。単純計算で一日45名の外来患者数である。一人10分としても450分(7.5時間)つまり、お昼を食べず、外来をし続けて終わるのが4時半である。しかも、ここに新患の患者が含まれているのだから、新患の患者は当然、時間がかかる。実際終わるのは6時に近くなるだろう。また、待たされる人もでるであろうし、クレームも受け、かなりのプレッシャーになるだろう。これで質の高い医療が提供できるのであろうか?医者のモチベーションを保つことができるであろうか?
もう彼も夏に退職することを決めたと話をしていた。
準公的病院でさえ現状はこうである。以前イギリス人に言われた"CRAZY!!"の世界である。正直、このような労働環境下ではミスが起こっても仕方がないと思われる。本当はもっと時間をかけて、患者さんの診察に時間をかけ高いレベルの医療を提供したいのだがそういった環境下では不可能である。しかし、責任は追及されるのが我々の職業である。訴訟と隣り合わせの中で仕事をしている。それでいて、日本の医療は世界に名だたる高水準を保っていられるのは医師個人の善意と責任感に支えられるところが大きい。しかし、それも限界に近づいていっている。給与は9:00-5:00で帰る地方公務員と同じで何十倍のストレス下で仕事をし、訴訟のリスクを抱えている。バカらしくなって皆退職するのは当たり前である。こんごますます、勤務医が不足するであろう。
今、自由化の波におされ医療機関も医療レベル云々より、利益を追求せざるおえなくなってきている。もちろん、不必要な部分を抑えることはしないといけない。しかし、本来必要な部分まで削りつつある。マスコミは医療ミスに関しては、大々的に報道する。それは部数などの数字が伸びるからである。もちろん、ひどいケースもある。しかし、現在の勤務医の過酷な労働環境による医療ミスが起こりやすい素地は絶対に大々的には書かない。書いても売れないからである。以前、某スポーツ新聞の記者が自分のコラムの中でいつもの彼らの手法(大した取材もしないで大きく書く)を使い、医療機関を批判していた。ふざけるんじゃないこっちは診たくても診れない環境に置かれているのである。連続36時間勤務をした後に緊急で呼ばれ、訴訟のリスクを抱えながら診療にあったている我々をかたや間違った報道をしても責任をとることすらしない彼らに批判されないといけないであろう。
自由化は医療への企業参入の推進に繋がる。実際、東証一部上場企業のいくつかは参入しつつある。利益を追求するだけの企業の提供するサービスはいいものなのであろうか?期限切れの食材を使ったお菓子を平気で売っている企業も存在するのがこの世の中である。本当にそれでいいのであろうか?結局あおりを受けるのは国民である。
現在勤務している病院はDPCを採用しているので、早期転院を進めているが、患者さんの半分くらいはもう少し入院希望(人によってはずっと)をされる。しかし、それは現在の制度下では無理であることを説明するが、わかってもらえないことが多い。政府の政策をもっと国民一人一人がちゃんとチェックしないといけない。選挙で選らんだのは我々国民なのだから、責任を取らざるおえない。
医療費の高騰が叫ばれている。確かに大きな問題である。抑制する努力は必要である。しかし、欧米諸国と比較すると対GDP比ではOECD加盟国では29か国中18位だそうである。アメリカ、ドイツ、フランスより下位である。金額ベースでもアメリカの6割、ドイツよりも安い。しかし、日本は米国の要求により高くつくアメリカ型の医療制度を目指している。本末転倒である。なぜ、そうしようとしているかは、おそらく米国の保険会社の市場参入のためであろう。わが国は食肉等でまず健康を損なうリスクを押し付けられながら米国にお金を吸い取られ、今度は医療で吸い取られようとしている。最後は葬式まで米国風に強要されるのであろうか?
友人は、某準公的機関の病院に勤務している勤務医である。その病院の某科は2名体制で患者さんの診療にあたっていた。一ヶ月の外来患者の延べ人数約900名であった。したがって単純に一人当たり450名、一日あたり約23名であった。ところがこの3月でもう一人の医師が出産退職になるのであるが、大学の医局からの補充はなく、院長及び事務方に補充の相談にいった。しかし、その回答は医者が一人いなくなることで人件費が浮いて病院としても助かるので、一人で頑張ってくれということであった。単純計算で一日45名の外来患者数である。一人10分としても450分(7.5時間)つまり、お昼を食べず、外来をし続けて終わるのが4時半である。しかも、ここに新患の患者が含まれているのだから、新患の患者は当然、時間がかかる。実際終わるのは6時に近くなるだろう。また、待たされる人もでるであろうし、クレームも受け、かなりのプレッシャーになるだろう。これで質の高い医療が提供できるのであろうか?医者のモチベーションを保つことができるであろうか?
もう彼も夏に退職することを決めたと話をしていた。
準公的病院でさえ現状はこうである。以前イギリス人に言われた"CRAZY!!"の世界である。正直、このような労働環境下ではミスが起こっても仕方がないと思われる。本当はもっと時間をかけて、患者さんの診察に時間をかけ高いレベルの医療を提供したいのだがそういった環境下では不可能である。しかし、責任は追及されるのが我々の職業である。訴訟と隣り合わせの中で仕事をしている。それでいて、日本の医療は世界に名だたる高水準を保っていられるのは医師個人の善意と責任感に支えられるところが大きい。しかし、それも限界に近づいていっている。給与は9:00-5:00で帰る地方公務員と同じで何十倍のストレス下で仕事をし、訴訟のリスクを抱えている。バカらしくなって皆退職するのは当たり前である。こんごますます、勤務医が不足するであろう。
今、自由化の波におされ医療機関も医療レベル云々より、利益を追求せざるおえなくなってきている。もちろん、不必要な部分を抑えることはしないといけない。しかし、本来必要な部分まで削りつつある。マスコミは医療ミスに関しては、大々的に報道する。それは部数などの数字が伸びるからである。もちろん、ひどいケースもある。しかし、現在の勤務医の過酷な労働環境による医療ミスが起こりやすい素地は絶対に大々的には書かない。書いても売れないからである。以前、某スポーツ新聞の記者が自分のコラムの中でいつもの彼らの手法(大した取材もしないで大きく書く)を使い、医療機関を批判していた。ふざけるんじゃないこっちは診たくても診れない環境に置かれているのである。連続36時間勤務をした後に緊急で呼ばれ、訴訟のリスクを抱えながら診療にあったている我々をかたや間違った報道をしても責任をとることすらしない彼らに批判されないといけないであろう。
自由化は医療への企業参入の推進に繋がる。実際、東証一部上場企業のいくつかは参入しつつある。利益を追求するだけの企業の提供するサービスはいいものなのであろうか?期限切れの食材を使ったお菓子を平気で売っている企業も存在するのがこの世の中である。本当にそれでいいのであろうか?結局あおりを受けるのは国民である。
現在勤務している病院はDPCを採用しているので、早期転院を進めているが、患者さんの半分くらいはもう少し入院希望(人によってはずっと)をされる。しかし、それは現在の制度下では無理であることを説明するが、わかってもらえないことが多い。政府の政策をもっと国民一人一人がちゃんとチェックしないといけない。選挙で選らんだのは我々国民なのだから、責任を取らざるおえない。
医療費の高騰が叫ばれている。確かに大きな問題である。抑制する努力は必要である。しかし、欧米諸国と比較すると対GDP比ではOECD加盟国では29か国中18位だそうである。アメリカ、ドイツ、フランスより下位である。金額ベースでもアメリカの6割、ドイツよりも安い。しかし、日本は米国の要求により高くつくアメリカ型の医療制度を目指している。本末転倒である。なぜ、そうしようとしているかは、おそらく米国の保険会社の市場参入のためであろう。わが国は食肉等でまず健康を損なうリスクを押し付けられながら米国にお金を吸い取られ、今度は医療で吸い取られようとしている。最後は葬式まで米国風に強要されるのであろうか?
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プチおっさん
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男性
職業:
勤務医
自己紹介:
あっという間に卒後10年以上過ぎ、気がつけばおっさんになってしまった勤務医です(自称ぷちおっさん)。"医者になればバラ色の人生が待っている!!"と思い、医者になるにはなったけど、現実は無残で灰色の人生を送っています。病院の中では中間管理職-つまり,雑用処理係を拝命され日々、医療とは違うところで苦労をしております。
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