とある病院の中間管理職にある中年医師(勤務医)の日常を徒然に綴るブログです。今や社会的弱者になりつつある勤務医の日常をありのままに公開します。
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今朝青龍問題で頭を悩ましている。といっても大相撲の朝青龍ではなく、私の病院にも朝青龍がいるのだ。
といってもあんな大きな人ではなく、小柄な女医さんだ。
実はこの女医さん地方の名士のご子息で、頭脳は優秀である。
しかし、如何せん常識がない。
この常識の無さは本人が悪気があるわけではないので非常に困る。
というのも少々注意すると号泣する。
これが人目もはばからずにやるものだから、周りの人からみると苛めているようにみえるのでだんだん誰も注意しなくなり、元々社交的でないこともあり、孤立感をより一層深めていった。
もともと他の先生が面倒を見ていたのだが、サジを投げてしまい仕方なしにある時期面倒を見ていた。
仕事を投げ出し、こない時期があったのだが、温情措置で不問にふし、なんとか徐々に復活させた。
ところが来年の人事をそろそろ決めないといけない時期に来た。
本人は大学に帰ることを希望しているのだが、大学側から帰すことはできないとの返事。
大学でもいろいろあり、人事の優先順位はかなり下であると。
本来であれば解雇或いは長期療養型の病院への出向要員であったけど、温情措置で今の病院に赴任させた。
しかし、本人は大学に帰れると思っているし、大学でまたいろいろできると思っている様子。
大学でいろんな人に聞くと皆声を揃えて”あんまり関わりたくない”とのこと。
本人が大学でどれだけ廻りに迷惑をかけたのかという自覚がないのが最大の問題である。
どうも自分中心に廻っていることが当然と思っている。
はあ、これを伝えないといけないのだが、ショックでまた翌日から来ない可能性がある。
これが一番困る。
あんまり戦力になっていないのは事実なのだが、といっても7-8人の主治医はさせているのでね。
うーん、困った。どうしよう。
その患者は最近私が担当することになった。
先週、その患者の5年前から存在する心房細動という不整脈のチェック目的で他のDrが以前より定期的にとっていた心電図の結果説明をした。
私が話したことは
”この不整脈は治りません。しかし、心臓の中の血栓を予防するために抗凝固療法をしっかりできてりるし、心拍数のコントロールもできているので現状でいきましょう。この不整脈の最大のリスクは脳梗塞です。現状では予防できる数値です。”と説明した。
その場は特に何もなかった。
今日になって、クレーム。何かと言うとその患者いわく
”不整脈が気になっている患者に対して、治らないと告知し、絶望感に叩き落された。ここの医者は、外科的なことや薬物治療のことばかりで心のケアができていない。他の患者は思ってもいえないことを代表して私はいってやったんだ!!”とのことである。
”はあっ!?”
これが正直な心の叫びである。
この患者は事実を曲げて説明しろということである。
しかも、患者の代表ともいいたげな正義感をふるって。
超高齢者や、メンタル系の疾患を抱えている患者は別だが、そうでない限り事実を事実のまま説明することをしないと我々は、説明義務違反で逮捕される時代だ。
個人情報保護法が制定されて以来、原則患者本人に説明し、同意を得てから家族に説明という順番を踏まなければいけない。したがって、高齢者の悪性新生物が見つかった際、本当に苦慮するケースが多い。
原則ありのまま説明しないといけない。
まず、心房細動自体、生命に直結するような不整脈ではない。だから正直に説明する。
しかも、5年前から存在する不整脈で本人も理解している。
それに私は、今回、不整脈は治らないけど、それによる不利益はいろんな治療でカバーできていますよとちゃんと説明している。
これ以上どうしろというのだ。
もし、私が居酒屋の店主でその患者が客なら
”勘定はいいからでていきやがれ!”である。
患者代表という変な正義感を持ち出してきたのが本当に腹立たしい。
我々は常識内で、患者のメンタルな部分も考慮し診療している。
しかし、このような常識範囲外のことを求められても、対応できない。
患者にとって医者は一人かもしれないが私は患者は今400人くらいだ。
そこまでケアいやわがままに対応してもらうには、専属のDrを雇うしかないだろう。
その患者は糖尿病のコントロールが非常に悪く、眼、腎、末梢神経障害のある人で、典型的な自分に甘く文句ばかり言う人だ。
おそらく真意は”自分のことをちゃんと診ろよ!”ってことつまり存在感と他の患者との差別化をしたかったのだと思う。
我々も人間、そういう不快な気分にさせられると次から関わりたくないと思ってしまう。
もちろん、仕事上、ちゃんと診察するが、苦手意識は絶対にでる。
すると結局損をするのは本人だ。
以前大学にいた時、自由業を生業とする人のトップに近い人を何人か主治医をしたことがある。
彼らに共通な点がある。それは医者に対しては絶対に紳士的な態度を守る。
いや、むしろ模範的な患者であったりする。
彼らは、健康が何よりも一番ということを知っている。病気をすると何もできない。
それを守り続けるには優秀なDrに診て貰うということが大前提だ。
ただでさえ、存在だけで我々は威圧されるから余計に言動や態度を気にする。
人一倍医者に配慮してくれる。
この患者は他の患者の前で、私に頭を下げさせてかったみたいだが、
絶対に頭を下げなかった。
はっきりと
”私は信念を持って医者をしていますので。何も悪いことしてませんから。”
と言って立ち去った。
私は悪いことをしたと思ってないから、謝罪する必要は全くない。
他の患者何人かその後、話したが皆その患者の待合室での態度の悪さや言動に対する文句を言いながら、私のことなぜか褒めてくれた。
病気を病気として正しく認識し、克服する手助けをするのが医者の仕事だと思っている。
それが私の信念だ。
それを曲げてまで医者をしようとは思わない。
看護師がその後主治医代えましょうかと言ったら、急にそこまで言っていないとあたふたしたらしい。
どっちやねん。
オレはあんたと関わりたくない!!
この子強烈”キャピキャピ”しているのだ。
それに化粧がとっても濃い!
それで白衣がどちらかというとコスプレ系で、胸のあたりとかかなり強調されている。
実は、患者から投書が来た。上司は私にその投書をはいっと渡すだけ。
まあ、いつもパターンですが、今度はまいった。
基本的に女医さんは苦手だ。
というのも、医者は体力勝負的なところがあり、それを女医さんに求めるのは酷である。
それと、やはりすぐ泣く!
俺も泣きたいちゅうねんって思うことあるけど、そんなん泣く前に処理せなあかんでしょ。
しかも最近はちょっとしたらセクハラになる。
だからめったなことはいえない。
で結局言葉をかなり選んで話すうちに
おれなにしてるんやろ???
っていうことになる。
すると急速に面倒になる。
でも立場上そうもできないので、我慢してやっている。
この女医さん、キャピキャピはしているが仕事は一生懸命している。
それは認める。勉強もよくしている。
だから余計に言えないんだよなあ。
でも、社会人として患者から投書が来たのは事実だし、髪の毛を束ねるくらいの配慮は言うべきと考え、意を決して話そうとしたら、卒後5年目の若い奴が、注意してくれた。
ラッキー!!
正直ほっとした。
医療問題を取り上げていた。そこでパネリストの勝谷氏が接骨医の不正受給の話をしていた。
そうそう今ちまたに接骨医が爆発的に増加している。
なんか聞いたところによると柔道整復師(接骨医)の養成学校がめちゃくちゃ増えたらしい。
あの手の専門学校はかなり儲かるらしい。
知り合いで専門学校を経営している人が話していたが、生徒がくるなら新興宗教と同じくらい儲かるらしい。
当然、学校が増えたら生徒も増えるし、卒業生も増える→すると店も増える。→患者の数は一定だから過当競争→不正受給となる。
そういわれると、以前東京に住む親戚が話していた。
近所にある接骨医に行くと何回かに一回はタダらしい。
しかし、その代わりに印鑑を持ってこさせ預けるらしい。
おそらく来院していなくても来たように記録を改竄しているのだろう。
証拠として、印鑑を勝手に押しているのだろう。
大阪でやり手の接骨医が、クリニックを経営しているらしい。
もちろん実質という意味。
つまり、リスクの少ない(初期投資の少ない)接骨院を開業し、患者がそれなりに集まると隣に医院を開業させる。もちろん、医者はダメダメ医師かリタイアした高齢先生。とりあえずいればいいという感覚。
そんな輩が増えているらしい。
もちろんちゃんとした接骨医の先生もいるのは間違いないが利益最優先の人も増えているのが現状のようだ。
医療費の問題で医者を非難するのもいいが、こういう輩は抹消して頂きたい。
ちなみにこの問題を詳しく書いたHPがあったので紹介する。
http://www.med.kindai.ac.jp/ortho/sekkotu/
以前から、私の病院で患者を呼ぶ時、〇〇様と呼べというお達し(指導)がある。
私は絶対に〇〇様と呼ばない。
そりゃ、ある意味患者は客ではあるが、ホテルやクラブとは違うので絶対そういう呼び方はしない。
結構、強要する事務方がいて思わず”私はホストですか!”と叫びました。
別に、ホストをバカにしているのではなく、職種が違うのだ。
患者との立場は対等でないといけないと思う。患者との距離は適切でないといけない。
遠すぎるのは絶対よくないし、近すぎるのも良くない。
よく赤ひげ先生のことを引き合いに出され、そのような医者はいないとよくテレビ等で評論家風情が言っているが、時代が違う。
むかしの地域社会が存在した時代は、お互いのことを充分理解し、尊重しあっていた時代はそれでよかった。
変なことをすれば、地域社会で知れ渡り、生きていけなくなる。だから、ある程度の常識が存在し、ある程度の倫理観が存在した。
今は、隣に誰が住んでいるかも分からない時代。ヒトを簡単には信用できないし、恩を仇でかえされることなんか日常茶飯事である。
何度も話したと思うが、イギリス等とは違い皆勤務医はだいたい患者を200-300人を診ている現状下で距離を近づけすぎると必ずトラブルが起こる。
例えば調子悪くなったら電話するように携帯の番号を教えたとしよう。これを全員に教えたら大変なことになる。
患者にしてみれば、年に一度くらいするかしないもものであっても、数は200人以上いるのだから、しょっちゅうかかってくるようになる。私は特に関西人なので患者の名前は余程でないと覚えていない。もちろん、顔を見れば思い出すが、電話で名を名乗られてもわからないことが多い。だから、正しい情報を認識できないまま応対しないといけない。
また、何かの用でたまたまでれなかったりすると当然電話をかけた主は不満に思う。
神経質な人はしょっちゅうかけてくる。こちらも、人間だから変な時間にたいしたことないのにかけてこられるとムッとすることもある。
だから私は絶対に教えない。もちろん、病院に昼間にかかって来た人にはちゃんと応対する。
カルテ記載もしっかりする(確か病院は電話再診を取っていたと思う。)。
私の同僚が、勘違いして携帯やメルアドを教えて、エライ目にあいその患者の後始末に駆り出されたこともある。今後も絶対にこれはしない。また、ナビなどで電話番号から家まで分かる時代。
家にまで来られて家族に危害でも加えられたわえらいことになる。心療内科の先生が開業する際には必ず自宅から離れたところでするのと同じ理由だ。
話は少しずれたが、医者がそこまでへりくだるから勘違いした患者が増えるのだ。
あからさまに通院してることによってお前らを儲けさせてやっているんだと態度に出す奴が時々いる。
そういう患者にはどうぞ他に行って下さいとはっきり言います。
まあ、開業医じゃないということもあるのだが、信頼関係の構築できていないのであれば症状がよくなっていてもそうは取ってくれないのだから、治療を継続するのは無理だからである。
私ははっきりとそう言う。
もちろん、偉そうには絶対にしない。言葉使いには非常に気を使っている。
まあ、ずっと昔から診ている人とはこてこての言葉使いになるけど・・・。
絶対に私は〇〇様とは呼ばない。
余談。
とある有名病院の部長先生が、そこの病院の安全管理の方針で、点滴を打つとき必ず指差して〇〇今から静注しますと声にだすことが決まったとぼやいていた。
その先生は絶対にしないと言っていた。
その時その先生が叫んだことは
”オレはポッポ屋か!!”
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