今日は患者同士の喧嘩でまいった。病院の中は言うまでもなく共同生活の場である。大部屋は特に。ここで、よくいざこざが起こる。患者自身、病気で自分に余裕がないところに無神経な人が同室にいると大変である。
今日、外来をしていたら、緊急事態が発生し、呼ばれた。するとうちの科の若い先生が診ている患者が、部屋の洗面台をいつも汚すらしくそれが原因で同室の年配の患者と喧嘩になったようである。
洗面台から水をいつもこぼし、そのせいで年配の患者がこけたというのである。
そのこけた患者は、当人にどうしてもあやまらせろという要求である。
若い先生はおろおろして、私を呼んだのである。こういった争いはよくあることだ。
正直、いい大人同士なんだから、お互い遠慮するか、当人同士で解決して欲しい。
我々医者は警察官でもなければ裁判官でもない。病気を治すことが仕事である。もちろん、メンタルのケアもする。しかし、喧嘩の仲裁は仕事外だ。
といっても仕方ないので、外来中断しまず事実関係の確認をし、当人同士あわせると火に油を注ぐので、原因を作った方の家族がたまたま来たので、事情を話しとりあえず謝って頂く様にお願いをした。
家族は少々不服そうであったが
”皆病気のことがあり余裕がない状態で、ささいなことでこのようなことが起こるので、悪気はないのはわかっているが、争いの種を捲いたのは事実なので、形だけでも謝って欲しい”とお願いをしたら、わかって頂けた。
そして謝罪をすると、こけた方の人も
”別に謝って欲しいから騒いだんじゃないんだ。ただ、共同生活のルールを知ってほしかっただけ。”とのこと。
心の中で
”謝らん限り傷害罪でうったえてやる！”と叫んでいたのは誰？と思いながらも、こっちの敷いたレールに乗っかってくれて一件落着であった。
そこから地獄は私のほう。外来に急いで降りると、急遽代診を頼んでいたのだが、皆さん待ってくれていた。
1時間おしての外来となり、その後は地獄だった。

いい加減にして欲しい。俺らは便利屋じゃないんだ。