忍者ブログ

プチおっさん医師の奮闘記!

とある病院の中間管理職にある中年医師(勤務医)の日常を徒然に綴るブログです。今や社会的弱者になりつつある勤務医の日常をありのままに公開します。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

人間模様!

僕の患者さんは結構いろんな人がいる。というのも中間管理職である以上、キャラの濃い人、クレーマー、病状がシビアな人、コワモテの人などは全て押しつけられます。病状が難解な人は別として、それ以外の前述した人々とは関わりたくないのだが、関わりあいになってしまいます。
今日も、自分の患者のワースト10に入るT夫婦がやってきた。
このT夫婦、ご主人は自己管理ができないだけでごく普通の人なのだが、この奥さんがとんでもない人である。とにかく、気が強い。しかも攻撃的で、クレーマーである。ご主人が糖尿病で入院した際、腹部エコーの検査で昼食が欠食になりインスリンを打たなかったことが気に入らなかったらしく(もちろん事前に説明済み)暴れた。その暴れ方も人騒がせな方法で。
病室でご主人の認知障害が出現したと騒ぎ出したのだ。看護師は低血糖がないことを確認しつつ、脳血管障害を起こしたのではないかとすぐに私をコール。驚いて外来を中断させて、病室にいって診察したら、当然何もなし。すると、この病院は患者を認知症扱いにすると怒り出し、投書すると言い出す始末。
最初はなだめていたのだが、因縁をつけてきているとしか思えない態度であったし、こちらは必要な診察をし、適切な対応をしておりなんら恥じることはしていないので、毅然とした態度で相手の言い分を退けた。
まあ、後で部長に投書は入れるだろうなと思いつつ。
看護師に話を聞くと毎日クレームばかり言ってきてとにかく大変だという。医療以外のことで手がかかり、困っているということであった。
元々検査入院であったことから、早々に退院させようとした。

予想通り、部長に投書がいった。私は呼ばれ、事情を聞かれた。ありのままに答えたのだが、ブログタイトルで示したとおり我々はいまや社会的弱者。僕は当然のことをしただけなのだが、部長も事情は30%しか理解せず厳重注意であった。
そこで私の仕返しである。そういった患者は、権威に弱い。部長やらとにかく肩書きに弱い。外来主治医を部長に変更しましょうかと患者の嫁にポソっといったら、即飛びついてきた。
”うちの主人の病気は、病態が難しいので部長以外は診れない。”とのたまった。
”ただの糖尿病で、管理が悪いだけだろ!!”って叫びつつ、シメシメと予約を入れた。
1ヵ月後、部長からの悲鳴を毎日聞かされるようになった。
ほぼ毎日のように、あーでもないことーでもないと電話がかかってくるとのこと。
外来では夫婦喧嘩を始め、外来中断させられただでさえパンクしそうなくらい予約が入っている外来なのに、夫婦喧嘩で場所を取られ完全にパンクしてしまったそうだ。
”くっくっくっ、言わんこっちゃない!”って心の中でほくそ笑んだ。
すると部長から”先生は偉い。あの夫婦に毅然とした態度で立ち向かい処理しようとしたとは。”とお褒めのお言葉。
”いまさらおせーんだよ!!あんたに言われる前にそう思ったから早々にお引取り願おうとしてたのに、相手の言い分を一方的に聞くから痛い目にあうんだよ”って思いつつ、次から私が診ることになった。
私はこういう患者の扱いにはなれているので多少の被害はあるもののうまくやっています。
今日はさすがに困った。夫婦できたあとだんなが戻ってきて
”家にいると女房にイビラレ精神的にまいっているので入院させてかくまってくれ!”と叫んでいた。
”ここは駆け込み寺かい!”ってツッコミたかったが、冷静に”そういった相談は弁護士を雇ってご自宅で処理してください。”と申し上げ、追い返した。
俺たちは社会的弱者でいかなる場合も感情的になることを許されないことをいいことになんでも要求してくる輩が本当に多い。
といっても無力な我々は、冷静にお引取り願うことを淡々とするしかない。

はあ、医療以外のことで労力を割きたくはないなあ・・・。

PR

COMMENT

「」にコメントする。

TITLE COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

NAME

URL

EMAIL

PASS

お察しします…

ごめんなさい。初めに謝っておきますね。
本当に大変だとわかるんですが、文章を読んでたら情景が浮かんでくる様で笑ってしまいました。
私、少し前まで歯科で受付してたんですが、無理難題を求めてくる患者さんって割と多いですよね。
歯科の場合だと治療中は口を開けてるので文句とか言えないですが、待合では色々言うんですよ。
治療に関することとか受付なんかが下手に話せるわけないのに、聞いてきたり…
「中で先生に聞いてよー」とか、変な人だなーとか思っていても、言葉使いや態度は崩せないしで、ポーカーフェイスと貼付けの笑顔はかなり鍛えられた気がします。笑

だから今は逆に病院行っても「こんなこと聞いても良いのかなー?」って遠慮してしまうんですよね…

Moccho  2007/03/21(Wed)00:36:37

ありがとう!!

ありがとう!!医者以上にコメディカルの人たちが大変ですよね。医者には遠慮があっても、コメディカルの人には遠慮のない人たちが多いですから。
理不尽な人には毅然とした態度で臨みましょう!!

【2007/03/23 17:47】

TRACKBACK:

カレンダー

04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

フリーエリア

最新CM

[04/10 Moccho]
[01/16 もっちょ]
[01/01 Moccho]
[11/29 Moccho]
[11/18 Moccho]

最新TB

プロフィール

HN:
プチおっさん
性別:
男性
職業:
勤務医
自己紹介:
あっという間に卒後10年以上過ぎ、気がつけばおっさんになってしまった勤務医です(自称ぷちおっさん)。"医者になればバラ色の人生が待っている!!"と思い、医者になるにはなったけど、現実は無残で灰色の人生を送っています。病院の中では中間管理職-つまり,雑用処理係を拝命され日々、医療とは違うところで苦労をしております。

バーコード

ブログ内検索

カウンター

アクセス解析

アクセス解析

<<ついていない。 HOME メタボリックシンドローム>>

忍者ブログ [PR]

ススメ::342blog